世界の半分の人の胃に住み着いていると言われるピロリ菌。胃炎や胃がんの原因として知られていますが、「ピロリ菌を持っている人はハゲない」という噂があるのをご存じでしょうか。今回は、ピロリ菌とハゲにまつわる噂について検証しました。

「ピロリ菌がいる人はハゲない」という噂

ピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌です。普通の細菌ならとても住むことができないような胃の粘膜の中に住み着くことができるタフな細菌で、胃炎や胃がんの原因なったりします。

世界中の人々の約2人に1人は、胃の中にピロリ菌がいると言われています。また、日本で胃がんが多い原因に一つに、このピロリ菌が関係しているなど、何かと悪者にされがちな細菌ですが…。

なんと最近メディア上で、ピロリ菌に関する、とある噂がまことしやかに語られているのをご存じでしょうか。それは「胃にピロリ菌がいる人はハゲない」というものです。これは本当なのでしょうか。詳しく調べてみました。

確定的な証拠は見つからず。でも…

結論から言います。ピロリ菌とハゲについては…すみません、確定的な証拠は見つかりませんでした。期待させてしまってごめんなさい。ただし、噂の出所らしき研究を発見することができました。それは、ピロリ菌と円形脱毛症の関係についての研究です。

円形脱毛症とピロリ菌の間には関係がない

これまで、円形脱毛症の患者さんには、アレルギー性の皮膚炎などを持つ人が多いことが分かっていました。そしてピロリ菌を持っている人にも、アレルギー性の皮膚炎が多いことが分かっていました。

このため、「円形性脱毛症とピロリ菌の間に何か関係があるのではないか」と研究が行われたのですが、どうやら両者に関係はないらしいと結論付けられるに至ったようです。

参考文献:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21912461

ピロリ菌とハゲに関するさらなる資料は見つけられませんでしたが、どうやらこうした研究がもとになって噂が誕生してしまった様子ですね。

「ハゲに対抗できる細菌」という夢のようなお話は、まさしく遠い夢物語であるようです。

いかがでしたか。「ピロリ菌がいる人はハゲない」という噂は、どうやらただの噂だったようです。ピロリ菌が胃に住み着いていると胃炎や胃がんの原因になります。見つけたときは、心置きなく除菌しましょう。