この見出しに興味があって読んでくださっている人は、おそらくIGF-1についての知識や情報をお持ちだと思いますので、結論から先に申し上げましょう。
IGF-1の発毛効果はフィナステリドやミノキシジルほどではありません。
薄毛になる原因は色々あります。
これからのお話はAGA限定ということを頭に置いておいてください。
HARG療法を使って、考えると納得
AGAに関心のある人は、おそらく再生医療といわれるHARG療法をご存じだと思います。
この記事はHARG{療法の記事ではないのですが、HARG療法を知らないと言われる(人のためにほんの少しだけ説明いたします。
HARG療法
HARG療法は今、注目を浴びている再生医療の部類に入ります。
医学博士の福岡大太郎氏が考案されました。
AGA発症部位、つまり脱毛部位にHARGカクテルを注射器で注入します(結構、痛いそうです)
このHARGカクテルには発毛を起こさせる色んな物質が入っています。
今回のテーマのIGF-1などの成長因子も数種類入っています。
これらの物質が毛乳頭細胞を刺激し、刺激を受けた毛乳頭細胞は毛母細胞に発毛の司令を出します。
その結果、毛母細胞は細胞分裂(増殖)を始め、発毛が行われるという作用機序です。
ここでの説明のポイントは、AGA発症の主役である「DHT」が説明に出てこないという所にあります。
HARG療法のみでは効果が薄い?
実は色々、調べてみますと、HARG療法を行っている医師はHARG療法のみで効果がなかった患者さんに対して「フィナステリドやミノキシジルとの併用が無かったから」と説明したという話がネット上でも体験談として結構、挙がっています。
HARGカクテルにはIGF-1を始め、色んな成長因子、アミノ酸などが入っています。IGF-!の発毛効果も認められています。
今回の題は「IGF-1の実力はあるか?」ですから、発毛効果はあってもその実力ありと言えるほどのものなのかどうかを検討しようとしているわけですが……。
成長因子は男性ホルモンを抑えない?
AGAの発症の最大の原因はDHTです。
男性ホルモンのテストステロンが5α-リダクターゼによって変わったDHTが脱毛を起こさせます。フィナステリドはこの5α-リダクターゼⅡの働きをブロックし、DHTの生成を抑えます。
IGF-1は毛乳頭細胞を刺激して発毛させます。
この方法でも発毛するのでしょうが、AGAの最大の原因物質DHTの生成を抑えないことには、AGAの治療にはならないでしょう。
ミノキシジルはよく言われる血管を広げる働きだけではなく、毛母細胞に直接作用し、成長因子を作り出します。
ここは成長因子も同じなのですが、その他にもアポトーシス(細胞死)の抑制など脱毛を予防する作用があります。
ミノキシジルについてはまだまだ未開な部分もあり、近い将来、色々なことが解明されてくると思われます。
このようなことから考えると、やはり、IGF-1はフィナステリドほどではないと言えるのではないでしょうか?
HARG療法が単独でも効果があると言われるようになると、IGF-1は「実力あり」となるのでは?
再生医療はこれからの医療です。
これからのHARG療法に注目したいですね。