見た目の若さを気にする男性にとって、「頭のフサフサ」は重要課題。

薄くなってきたり、ハゲてくることは一大事かもしれません。
見た目だけでなく、男性の健康にとっても、「ハゲ」は注目すべき問題となっています。

最近ではハゲと前立腺がんとの関連性を調べる研究が目立っていますが、このほど「ハゲている男性は、前立腺がんリスクが3倍高くなる」というちょっとショックな研究結果が発表されました。

薄毛が進行するほどがんリスクは高まる

カナダのプリンセス・マーガレットがん研究所、トロント大学の研究チームは、前立腺がんの病歴がない男性394人を対象に男性型脱毛症(MPB)との関連性を調べました。

被験者には前立腺の生検をうけてもらい、また、ハゲ方を分類するため、薄毛の進行具合により4つのステージに分けたハミルトン・ノーウッド分類改良版を用いました。

ちなみに、ステージ1は前の生え際から後退、2は頭頂部が薄くなりかけている、3は頭頂部がかなり薄い、4では頭頂部がハゲているとなっています。

この結果、MPBと前立腺がんリスクとの間には強い関連が認められ、薄毛が進行するほど前立腺がんリスクも高くなることがわかりました。特に、進行具合が最も進みステージ4の場合は、悪性度が高い前立腺がんに罹るリスクが3倍多くなると報告されました。(※1)

「ハゲ」とがん死リスクに強い関連—アメリカの研究でも

男性の脱毛と前立腺がんとの関連性を調べた研究はこれだけではありません。

アメリカ国立衛生研究所が2016年発表した研究でも、薄毛やハゲが前立腺がんリスクに深く関わることを指摘しています。こちらの研究では、薄毛症状の程度に関係なくがんリスクは高くなるというのです。

研究チームは「全米健康・栄養調査研究」(1971~1974年)を基に、25~74歳の男性4,316人のデータを調べました。

皮膚科医の評価により薄毛の進行状況を、脱毛なし、軽度、中等度、重度に分類し、約20年にわたる追跡調査を行った結果、進行状況に関わりなく薄毛、あるいは脱毛症の男性はフサフサしている男性に比べ、前立腺がんによる死亡率は56%高いことが判明しました。

特にハゲ具合が中等度になると、がんリスクは83%増すのだとか。ただ、前立腺がん以外の全死因で見た場合、脱毛症との関連は目立って認められないそうです。(※2)

脱毛症と前立腺がんの関係性について、国立がん衛生研究所のマイケル・クック博士は「脱毛症も前立腺がんでも、男性ホルモンアンドロゲンのテストステロンやジヒドロテストステロンが異常に高くなることは指摘されている」と述べています。

また、他の研究者も「今後、こうした研究が進めば、前立腺がん診断の指標として男性型脱毛症が利用される可能性が出てくるだろう」と期待を寄せています。(※2)

前立腺がんの要因は他にもあるため、ハゲ即前立腺がんと、過剰にビクビクする必要はないでしょうが、中高年の男性は薄毛が目立ってきたら前立腺の健康診断を受けるのもアリかもしれませんね。

参考URL:

※1:The association of male pattern baldness and risk of cancer and high-grade disease among men presenting for prostate biopsy: Can Urol Assoc J. 2016 Nov-Dec; 10(11-12): E424-427
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28096933

※2:Male Pattern Baldness in Relation to Prostate Cancer-specific Mortality: A Prospective Analysis in the NHANES I Epidemiologic Follow-up Study: American Journal of Epidemiology(2016) 183(3): 210-217
https://academic.oup.com/aje/article/183/3/210/2195421/Male-Pattern-Baldness-in-Relation-to-Prostate