育毛とミネラルとの関係については、多くのメディアで触れられていますが、その背景となる根拠は未だ乏しいのが実情です。そこで今回は、育毛とミネラルの関係にて、改めて文献を参照しながら科学的に考えてみましょう。

亜鉛と銅

男性型の薄毛とミネラルに関係について調べた海外の研究では、男性型の薄毛の人では、そうでない人に比べて、毛髪自体に含まれる亜鉛と銅の量が少なかった、という報告がありあす。また、さまざま脱毛症の人とそうでない人を比較すると、脱毛症の人では、血中の亜鉛の量が少なかった、という報告もありました。

参考文献:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24746780
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24371385

これらの結果から、断定は難しいものの、毛髪内に十分な量の亜鉛と銅が行き渡るようにしっかり摂取すれば、男性型の薄毛の進行を食い止められる可能性が考えられます。

亜鉛

亜鉛は、以前から、精力減退や前立腺肥大といった症状に対して有効であると言われてきました。最近では、5αリダクターゼを抑制して、男性型の薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の量を減らす可能性が考えられているようです。(文献は見つけられませんでした)

<亜鉛を多く含む食品>
カキ、ホルモン(内臓)、ごま、アーモンド、チーズ、牛肉、たまごなど。

銅については、亜鉛ほど強い関連性はないようですが、男性型の薄毛と関連がある可能性を伺わせる研究があるようです。

<銅を多く含む食品>
カキ、ホルモン(内臓)、いか、えび、かに、納豆、ココアなど。

鉄分

鉄分については、古くから女性の薄毛と関連がる可能性が考えられていたようでうす。貧血ほど深刻ではなくても、やや鉄分の不足がある場合に、女性の薄毛の原因になる可能性が考えられています。

参考文献:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12190640

とくに、女性では鉄分不足が起こりやすいため、毎日の食事から不足なく、鉄分を摂取ることが大切です。

<鉄分を多く含む食品>
ホルモン(内臓)、肉類、魚介類、大豆、納豆、たまごなど

過剰摂取が心配なセレン

ミネラルの一種であるセレン(Se)は、多くの育毛サイトで、育毛に不可欠な栄養素であると紹介されています。

調べてみると、育毛との直接的な関連を示す文献はありませんでしたが、不足によって体内の活性酸素への抵抗力が落ちる(活性酸素を無毒化する酵素、スーパーオキシドジスムターゼの活性が低下する)ことで、前立腺がんのリスクを高めたり、育毛にもマイナスになる可能性が考えられています。

一方で、過剰に摂取した場合にも、前立腺がんのリスクを高める可能性があることが分かっているようです。

参考文献:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24994662

現代の日本人が1日にどのくらいのセレンを摂取しているのか、調査の対象になっていないため不明ですが、通常の食生活が送れていれば、日本では不足はほぼ起こらないと考えられています。

したがって、セレンが不足しないように食事のバランスに注意することは大切ですが、セレンの補給目的でサプリメントを利用することは、考え直した方が良いかもしれません。

<セレンを多く含む食品>
ホルモン(内臓)、魚介類、たまごなど。

いかがでしたか。育毛とミネラルの関係については、根拠のあいまいな情報があふれているため、サプリメントの利用を考える際は、取り過ぎにならないように十分注意しましょう。