円形脱毛症は、脱毛箇所がひとつふたつの比較的軽いものなら、特別な治療をしなくても自然に治るケースも数多く見られます。軽症タイプ、ストレスが引き金で発症した場合、ストレスが解消されれば円形脱毛症も消えてしまいます。

ただし、帯上に脱毛するタイプや、頭全体の髪が抜けるような重症になると、簡単には根治できません。やはりストレスをきっかけに発症したとしても、ストレスの原因を取り去るだけでは治らないのです。治療法は個々の症状や年齢に応じて選ばれますが、一般的な治療法には、次のようなものがあります。

ステロイド治療

円形脱毛症は、自己免疫の病気です。そこで免疫機能を抑制する働きをもつステロイド剤が、比較的よく治療に使われています。とくに単発型円形脱毛症の場合は、ステロイドの塗り薬が効果的です。

ステロイド剤には、外用タイプのほか、脱毛した部分に直接注射する液状タイプや、服用タイプもあります。多発型や蛇行型など慢性の症状を抱える患者さんには、外用、局所注射、内服などいろいろ組み合わせて治療します。

急速に進行する脱毛に対して、ステロイド内服療法は非常に効果的ですが、胃の病気や骨粗鬆症などの副作用がでることもあるので、あまり長いあいだ続けられません。またステロイド投与を中止すると、再び毛が抜け始めることもあります。

広範囲な円形脱毛症を発症して間のない患者さんには、ステロイドパルス療法が効果的です。短期間に大量のステロイドを点滴注射する方法で、副作用もそう多くありません。ただし、この治療法は入院が必要ですし、まだ限られた施設で試みられている段階です。また、子供さんは残念ながら対象外です。

液体窒素療法

患部に非特異的な刺激を与える治療法で、脱脂綿や綿棒に含ませた液体窒素を脱毛部分に塗ります。比較的限られた面積の脱毛が適応です。痛みを伴う治療でもあるので、幼い子供さんには普通この方法は使いません。

ドライアイス圧低療法

これも液体窒素療法と同様に、ドライアイスを患部に当てて刺激します。やはり子供の患者さんには使わない方法です。

PUVA療法(紫外線療法)

紫外線を照射することでリンパ球の異常な動きを抑制し、発毛を促そうという方法です。ただし、発毛してくると紫外線が照射できなくなるため再発も多いようです。

局所免疫療法

まず皮膚に高濃度(1パーセント)の薬を貼り付けて感作という処置をしますと、2週間ほどで患者さんのリンパ球が反応する準備ができます。その後1~2週間の間隔で病変部に薬を塗りますが、薬は低濃度(0.0001パーセント)のものから使いはじめ、ひどいかぶれにならないように注意しながら徐々に濃度を上げていきます。

こうすると、毛包周辺の自己免疫反応を起こしているリンパ球を抑制する別のリンパ球が集まり、それによって発毛が促進されるのです。慢性化、重症化して完治が見込めない患者さんにとっては、いちばん効果的で副作用も少なめの治療でしょう。