ハゲ、薄毛の原因は色々なものがありますが、今回は割りと身近な円形脱毛症について紹介をします。

円形脱毛症とは

円形脱毛症という病名は非常に有名です。実際、男性型脱毛症よりも受診される患者さんが多い脱毛症ですが、その実態となると誤解されている部分も大きいような気がします。アメリカの「円形脱毛症患者の会」が発行したパンフレットの表紙には、こう書いてあります。

「円形脱毛症は命にかかわる病気ではないが、人生が変わってしまう病気である」
この言葉が示すように、円形脱毛症で悩んでおられる患者さんは大勢います。若くして発症する方も多く、周囲の人々の理解が必要な病気でもあるのです。

「10円玉ぐらいの丸い形に脱毛する」
「ストレスから発症するらしい」

円形脱毛症と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、この2点ではないでしょうか。どちらもまったくの間違いではありませんが、円形脱毛症の全体像はもっと複雑です。

男性型脱毛症は前頭部と頭頂部の髪がしだいにまばらになっていく病気ですが、円形脱毛症の場合はある部分の毛がまとめて抜け落ちます。これが特徴です。この病気はヘアサイクルの成長期にある毛の毛母細胞が一気に死んでしまうことで脱毛が起きますが、そのメカニズムは最近ようやく明らかになってきました。

また、円形に脱毛することが多いのでこの名がつきましたが、必ずしも円形に脱毛するとは限りません。脱毛箇所も、一ヶ所から複数ヶ所までさまざまです。つまり円形脱毛症の症状には個人差があるのですが、だいたい以下のパターンに大別されます。

単発型

もっとも多く見られる症状で、円形の脱毛が1~2ヶ所に起きるタイプ。円の大きさは1センチ程度から数センチまでさまざまで、「ある日気が付いたら毛が抜けていた」という例が多いようです。ただし、単発型円形脱毛症のほとんどは、治療しなくても治ります。

多発型

頭部の数ヶ所から数十カ所に円形の脱毛ができます。これは単発型から進行する場合と最初から多発してつながり、広範囲に脱毛する場合があります。

蛇行型

後頭部や側頭部の生え際が、帯状に蛇行するように抜けてくる症状です。

全頭型

多発型が進行し、頭髪のすべてが抜けてくる場合と、びまん性(まばら)に脱毛が進行する場合とがありますが、結果的には頭髪のすべてが脱落します。円形脱毛症の患者さんのうち、10人に1人ぐらいはこのように重い症状になってしまいます。

凡発型(はんぱつがた)

髪の毛だけでなく、眉毛、髭、陰毛から脛毛(すねげ)、つまり体全体の体毛が抜けてしまうタイプで、もっとも重症の病型です。

このように円形脱毛症にも種類が多くあります。一部部分や、円型の薄毛が出て場合は円形脱毛症の可能性もあるので注意して下さい。