毛染めやパーマ剤によるトラブルにはどのように対処すればよいでしょうか。
とくに、美容室で行う毛染めやパーマは薬液が強いことが多いので、トラブルになりやすいといわれています。

毛染めやパーマ剤は、頭皮の上でアルカリ性製剤や酸性製剤の反応を行ったり、反応を促進する意味で熱を加えたりします。

よく、頭皮がチリチリ痛むという人がいますが、そのようなときは、すでに頭皮に負担が加わり、毛根も被害を受けているのです。

中には、一度染めた色が気に入らず、一週間もたたないうちに二度目の毛染めをしたり、パーマのウエーブが気に入らず、すぐさまストレートパーマをかけてもどしたりする方がいます。

このような場合、抜け毛が増え、広範囲に脱毛が起こってしまう場合があります。

多くの人は、頭皮が健康ですから問題にはならず、いずれは抜けた髪が生えてきますが、皮膚が弱い人や体質的な薄毛がある人は、一度抜けた髪が生えにくい場合が多いので、気をつけなければいけません。

以上をまとめると、

・4週間以内に2回以上、毛染めやパーマをしない
・皮膚の弱い方や体質的な薄毛がある方は、毛染めやパーマは要注意

わかっていても、おしゃれのためにしかたなく行ってしまうことがありますので、気をつけましょう。

毛髪再生医療の現状を未来

飲む育毛剤はAGA(男性型脱毛症)の方々には福音となっています。

しかし、フィナステリドでも改善できない、薄毛になってからかなりの時間がたってしまった晩期のAGAや、他の原因で起こる脱毛症にはいまだ治療法がありません。

一本の毛を何万倍にも増やすことができたらいいと思いませんか?毛髪再生医療とは、このようなことが可能になる技術な
のです。

臓器はそれぞれが分化した細胞で成り立っています。
もとはといえば、卵子と精子が受精してできた1個の細胞から細胞分裂が始まって、それぞれの器官や臓器が発生します。

ですから、最初の受精卵はどのような性質にもなれるような万能の細胞といえるでしょう。

もし、この万能の細胞を手に入れることができたら、不老不死も夢ではありません。
しかし、受精卵の遺伝子を自分のものに入れ替えるのは容易ではありません。

そこで考えられたのが、自分の体細胞から最終分化する前の幹細胞を取り出して培養し、増やすという組織再生医療です。

どの臓器にも幹細胞は存在します。
毛の元になる細胞は、毛包の下部にある、毛乳頭部分の「パピラ細胞」と、毛包の皮脂腺付着部のバルジ領域にある「表皮幹細胞」です。

この2種類の細胞を取り出して、それぞれの細胞を培養で増やして皮膚に移植すれば、毛包が誘導されて毛が生えるという理論です。

日本では、バイオベンチャー企業の株式会社フェニックスバイオが、欧米では英国のインターサイテックス社、米国のアデランス・リサーチ・インスティチュート社が毛髪再生医療の研究を行っています。

では、研究の現状はどうかというと、培養したパピラ細胞と表皮幹細胞を頭皮に移植すると本物の毛が生えます。

この方法は、前広島大学理学部生物学教授・吉里勝利先生が考案した方法で、「毛包細胞移植法」(FUCT)と呼んでいます。

少量の皮膚を採取し、毛包からパピラ細胞と表皮幹細胞を分離・培養し、患者さんの毛のない部分に移植する方法です。

しかし、再生した毛はまだ細く短いものです。
ですから、現状では患者さんに使える技術にはなっていません。

今後は「いかに、太く長い毛にするか」が研究の主眼となっていくでしょう。

もし、毛髪再生医療が完成すれば、やけどで髪がなくなった人や、生まれつき毛が生えない先天的無毛症、重症のAGA、その他もろもろの人々にとって夢の治療となることでしょう。