毛髪は皮膚からでている毛幹と、皮膚の中に隠れている毛根に分かれていますが、毛包は中側の毛根を包んでいます。毛包の周りには毛細血管が網の目状に張り巡らされ、髪の成長に必要な栄養分や酸素などを毛包に送り届けています。

毛根のいちばん下に蟹のハサミのような形の毛球がありますが、この毛球部の底になる窪んだ部分が毛乳頭です。毛球の内部には、毛乳頭を取り囲むように毛母細胞がたくさん存在しています。育毛剤のコマーシャルなどにもよく登場する毛母細胞はここにあるのです。

毛母細胞は毛細血管から栄養分を吸収しながら増殖、分化を繰り返して毛髪を作り、上に伸びていきます。これが、毛髪の伸びる仕組みです。そして、毛乳頭が毛髪の生産司令室というわけです。

一般に私たちが「髪の毛」と呼んでいるのは、表皮の外側にでている毛幹部分です。髪の毛を輪切りにしてみると、三つの層に分かれています。
いちばん内側の部分にあるのは、泡が固まったような形で内部がスカスカの毛髄です。欧米人の髪の毛には、この毛髄がほとんど見られません。毛髄の機能や意義に関してはまだ解明されていませんが、太さなど毛の性質にかかわりがあるのではないかと推測されています。

三つの層の真ん中にあるのは毛皮質です。毛皮質は毛幹の大半を占めていますが、これを取り囲むように毛小皮が外側を覆っています。トリートメント剤の広告などで「キューティクル」と言われるのは毛小皮のことで、顕微鏡で見るとタケノコの皮のような形状をしています。

毛髪を構成しているのはケラチンというタンパク質で、少し詳しく言えば毛ケラチンと毛ケラチン関連タンパク質です。毛髪が形成される段階で毛ケラチン分子が密に結びつき、毛髪にいわゆるコシや柔軟性が生まれます。

ところで、髪の毛は一日に0.3ミリから0.4ミリぐらい伸びていきます。伸びる速度は頭頂部がもっとも速く、次いで側頭部というように部位によっても多少差があり、また個人差もありますが、平均して一ヶ月で1センチ前後、一年で一二センチ前後伸びる計算です。

単純に考えると、生まれてから一度も髪の毛を切らなければ、成人する頃には二メートル以上の長さになってしまいますが、そんなことはありません。切らずに伸ばし続けている人も、せいぜい一メートルぐらいで止まってしまいます。

なぜかと言えば、髪の毛は二年から六年のサイクルで生え替わっているからです。これをヘアサイクル(毛周期)と言います。